ZOOMOとは

ZOOMOの理念

盛岡市動物公園 ZOOMOは“人、動物、環境(生態系)の健康は相互に関連していて一つである”という考え方「One World-One Health」を理念に掲げ、野生生物の保全のみならず、自然環境の保全、人の福祉、動物の福祉(Animal Welfare)に資する事業を展開して参ります。

動物福祉について

現在飼育をしている60種300頭羽の動物たちの「動物の福祉(“動物が心身共に健康である状態”のこと)」に配慮した飼育展示を心掛け、これまで以上に動物たちのQOL(生活の質)の向上を目指し、その動物種らしい行動や暮らしが発現できる飼育環境の多様さと選択肢を提供します。また、動物の健康状態を科学的に検証し、より質の高い獣医療を行うため、大学等の外部機関や他園館の獣医師、飼育技師と連携をするとともに、動物たちの負担を最小限にしながら治療と日々のケアを行うためのハズバンダリートレーニングにも積極的に取り組んでおります。

キリンの採血トレーニング
キリンの採血トレーニング
カワウソの採食エンリッチメント
カワウソの採食エンリッチメント

環境保全について

動物園の大きな役割の一つでもある環境教育、保全教育は、地域と地球の未来を考えるうえで欠かすことが出来ないものです。希少種の保全や啓蒙はもちろんのこと、身近に豊かな 自然があり多くの野生動植物が生息する岩手県だからこそ、身近な環境や生き物の魅力と 大切さを伝え、持続可能な環境、地域、社会を目指して一人一人の意識や行動を変えられる場所になるよう取り組んで参ります。 また、世界的に深刻な問題となっているマイクロプラスチックや森林破壊、地球温暖化などの環境問題に対して園として積極的に取り組むため、園内の売店・食堂における使い捨てプラスチック製品の使用削減に取り組み、マイバッグ・マイボトル持参運動を推進しております。

当園では紙製の包材を使用
マイボトル持参運動を推進

愛称「ZOOMO(ズーモ)」の由来

このZOOMOという愛称には、いくつかの由来と、新たな動物公園に向けた思いが込められています。

ZOOMOの由来の1つ目は、ZOO MORIOKAです。そこには盛岡の地域に根差した動物園で在り続けたいという思いが込められています。動物公園は開園以来30年間、岩手の方々、盛岡の方々の憩いの場であり、岩手の豊かな自然と野生生物を守る環境保全とその心を育む命の教育の場として、盛岡のまちと共に歩んできました。これからも地域に根差した動物公園で在り続けるという思いが込められていると共に、組織が変わろうとも、我々は盛岡の動物公園であるというアイデンティティを表しています。

2つ目の由来は、「ずっと、もっと」です。これからもずっとずっと永く盛岡と共に在り、もっともっと市民にも動物にも愛される動物公園で在りたいという思いが込められています。

3つ目の由来は、「~ずもな」です。「~ずもな」といえば、岩手で古くから伝わる語り部さんの有名な語り出しです。動物公園は4月から新たな組織、新たなチームで新たな物語を紡ぎ始めます。その物語が永く語り継がれ、多くの方々の記憶にも記録にも残るものになりたいという思いが込められています。また、動物園はただ動物が飼育展示され、それを見るだけの場所ではありません。
動物園は自然と人、動物と人、人と人とを繋ぐ架け橋であり、動物のことを伝え、身近な自然の大切さや環境と私たちの関わりを伝え、みなさんが自ら考え、行動するきっかけを作る保全への入口です。そんな命の語り部で在りたいという思いが込められています。

そして4つ目の由来は、「ZOOM ON」です。これから動物公園は全国のどこの動物園も行っていないような様々な事業を展開して、新たな動物園の形、新たな過ごし方を提案していきます。それは新たな動物公園のテーマである飼育動物の福祉、そして野生動物や環境保全にこれまで以上にフォーカスした事業であるのはもちろんのこと、盛岡のまちが抱える都市の課題を、動物公園という場所を通じて一つでも多く解決できるような、ONE AND ONLYの動物園になりたいという思いが込められています。

ZOOMOという愛称には、このようにたくさんの思いと願いが込められています。この愛称が多くの方々に愛され、根付いていくことを願っています。ぜひ私たちと一緒に大きく育てていっていただけたら嬉しいです。

盛岡市動物公園 30年の歩みとこれから

盛岡市動物公園は、盛岡市が出資する財団法人盛岡市動物公園公社が管理運営団体となって平成元年4月に開園。以来30年間にわたり、家族で楽しめる憩いの場として、また本物の動植物との出会いにより命の尊さや豊かな自然の大切さを学べる社会教育施設として、市民に親しまれてきました。

また、平成3年7月にはアフリカ園が開園し、同年11月にはアフリカゾウのペアが来園。開園から約4年後の平成5年には累計100万人、平成28年には500万人を達成しました。

娯楽施設としてだけではなく、盛岡市の姉妹都市であるカナダのビクトリア市から寄贈されたピューマやカナダカワウソをはじめとする希少な野生動物の飼育繁殖にも努め、動物園の役割の一つである種の保存に寄与するとともに、平成23年から平成30年までツシマヤマネコの飼育展示と啓蒙を行うなど、保全教育活動にも積極的に取り組んできました。

しかし年を追うごとに施設の老朽化や盛岡広域圏の人口減少、レジャーの多様化が影響し、当園の来園者は減少。また人件費が増え続けるなど、市の財政負担は増加していきました。

この事態に対応すべく、民間活力と民間資本を導入して動物公園の経営改善を目指すことを決断し、公社は令和元年度末で解散いたしました。そして新たに「株式会社もりおかパークマネジメント」を元年7月に設立。“人、動物、環境(生態系)の健康 は相互に関連していて一つである”という考え方「one world – one health」を理念に掲げ、令和2年4月より「盛岡市動物公園 ZOOMO」として再スタートを切りました。

世代を超えて親しまれた盛岡市動物公園。その新たな出発を市民の皆様に応援していただけたら幸いです。

開園式でのテープカット(平成元年4月22日)
開園式でのテープカット(平成元年4月22日)
開園直後、サル山前に集う人たち(平成元年4月22日)
開園直後、サル山前に集う人たち(平成元年4月22日)
オープンしたアフリカ園に向かう人たち(平成3年7月26日)
オープンしたアフリカ園に向かう人たち(平成3年7月26日)
入園したばかりの2頭のアフリカゾウ(平成3年11月26日)
入園したばかりの2頭のアフリカゾウ(平成3年11月26日)