保護された“わさび”の展示から考える、野生動物と私たちのつながり
ZOOMOでは、これまでバックヤードで飼育してきた保護個体のムササビ“わさび”(メス)を、2026年9月20日(日)から展示エリアにて公開開始しました。
“わさび”は2025年4月24日、岩手県岩泉町の森林伐採作業中に発見された個体です。おそらく樹洞にいたと思われる母親と兄弟の1頭はその場で死亡していましたが、生存が確認された1頭を伐採業者が当園の動物病院へ直接搬入しました。搬入時は尾の大半を欠損しており、生後2か月ほどの離乳前の幼獣であったため、皮下補液や抗生剤による治療とあわせて、獣医師と飼育スタッフによる人工哺育を行いました。その後、欠損部からの発毛が見られたものの、尾は本来の1/3ほどの長さにとどまっています。
木々を飛び移り滑空して暮らすムササビにとって尾は野生復帰に不可欠であること、また人工哺乳で育った個体は人に非常に馴れてしまうことから、当園での終生飼育を決断し、これまで非展示の状態で飼育してまいりました。
ムササビは、本州から九州にかけて広く分布する日本固有種です。丘陵地や山麓から亜高山帯の森林に生息し、木の葉、芽、花、果実、種子、樹皮など植物質のものを食べて暮らしています。移動するときは飛膜を広げて滑空し、その飛行距離は時に150mを超えることもあります。
当園では、保護された野生動物たちが置かれている状況や保護された経緯について多くの方に知っていただくことも大切な役割と考えています。事故や環境の変化によって保護される野生動物が後を絶たない中、わさびの姿を通して、私たちと動物たちの暮らしがつながっていることを知っていただきたいと思っています。

■「わさび」の個体情報
保護日 2025年4月24日(木)
保護場所 岩手県岩泉町
名前(愛称) わさび
性別 メス
生年月日 不明(保護当初は生後2か月ほどと推測)
展示開始日 2026年9月20日(日)
■保護経緯 森林の伐採作業中に発見。おそらく樹洞にいたと思われる母親と兄弟の1頭はその場で死亡していたが、1頭の生存を確認した伐採業者が当園の動物病院へ直接搬入。
■搬入時の様子 尾の大半を欠損。また、生後2か月ほどと見られ離乳前の幼獣であることを確認。皮下補液による治療、尾に外傷があるため抗生剤の注射治療開始。同時に獣医師と飼育スタッフによる人工哺育開始。
■その後の経過 尾の傷の治療を続けた結果、徐々に欠損部からの発毛が見られ、本来の1/3ほどの長さしかないものの、現在は支障なく生活している。
■終生飼育になった理由 木々を飛び移り滑空をするムササビにとって、野生で生きていくには尾が必要不可欠であること、また、人工哺乳で育った個体は非常に人馴れしてしまうことから当園での終生飼育を決断。
■現飼育個体数 ムササビモモンガ舎にて展示
【きょうと♀】 2014年10月21日来園(京都市動物園より)
【ムムタ♂】 2016年4月24日保護
非展示
【あん♀】 2025年11月4日来園(いしかわ動物園より)
【つき♀】 2025年11月4日来園(いしかわ動物園より)
非展示 → 2026年9月20日より鳥類舎一室を改造し展示
【わさび♀】 2025年4月24日保護