お知らせ

2024.10.22
重要なお知らせ

ドングリポストに対するご意見を頂きました

ドングリポストに対するご意見を頂きました。 SNSは字数の制約があり、充分にお伝えすることが出来ないため、HPに掲載しましたのでぜひご一読くださいませ。

 

ドングリポストに対する反響が大きく、多くの皆様にZOOMOの取り組みを知っていただき感謝申し上げます。

SNSを見ていただいた方から、子供が拾って集めてきたドングリがあって捨てるに捨てられずもし利用していただけるのであれば、とご相談を受け、そのまま捨てられてしまうのであれば、有効活用させていただきますと頂いてきました。このやり取りの詳細を説明することなく、送っていただいたお礼を発信してきたところ、ドングリを園外で採取し動物公園で利用することは、野生動物の貴重な食糧を奪うことに繋がる恐れがあるのでは?とのご意見を頂きました。

このご意見を基に園内で協議をし、今後ドングリポストへの投函は、園内で拾った物に限定することとしました。

また多くの皆様のご協力により、飼育している動物たちに与える分としては充分なほど集まりましたので、数日中にドングリポストの設置を終える予定です。

 

公園や林などに多くあるドングリは私たちの身近な自然の一つです。実は種類によって、ドングリの帽子と言われている穀斗や、ドングリそのものの形はさまざまで、ドングリを見分けることができます。

 

また、ドングリを利用すると考えられている生き物は多く、私たちがドングリを採集してきたときに出てくる昆虫のゾウムシの仲間の幼虫はもちろん、ニホンリスや、ニホンツキノワグマが食べ物として利用することはご存知の通りです。

私たち人間もドングリを食べてきたといわれており、縄文人の主食だったと考えられていますが、ドングリはとても渋いため、水にさらしてアク抜きをし、粉にしてお粥や団子にしたと考えられています。

利用する動物達とドングリの関係を調べる研究はいくつもあります。

ドングリはポリフェノールの一種であるタンニンを多く含むため、アカネズミにとって潜在的に有害であることが研究で明らかになっています。しかし、野外ではアカネズミが頻繁にミズナラのドングリを利用していることもまた事実であり、野外では何らかの生理的・行動的な方法によってタンニンによるダメージを克服しているものと考えられていますが、詳細は現在も研究中です。

実は鳥たちもドングリが大好きで、オシドリやカルガモなどの水鳥たちは陸に上がって硬い皮もそのままでパクパクとドングリを丸飲みします。

ジェージェーと大きな声で鳴くカケスという鳥もドングリが大好きで厳しい冬に備えて木の割れ目などにドングリを隠しておく貯食という行動をします。

これらのリスやノネズミ、カケスなどは貯食し隠した場所を忘れることも多く、結果的に種子が散布されることとなり、動けない植物は一部が食べられることと引き換えに種子が運搬され、食べ損ないが発芽できるという戦略をとっていると考えられています。

そう考えると、私たちがドングリを拾って、お家で発芽するのを見るのも種子散布の役割を担っているといえるかもしれません。(多くは発芽したドングリが実をつけるまで育てることがないと思うので、正確には役割のほんの少しだけに関わっているという方が正しいですね)

盛岡市動物公園ZOOMOはもともとあった森林の中に設置された動物園のため、自生した木から多くのドングリが実をつけています。林に入ると小さなドングリの苗木を見つけることもできます。ぜひ、このような動物園があることを知っていただくためにも一度足を運んでいただければと思います。

ドングリポストの件でたくさんの反響をいただき、このようなことを発信することができました。

またご意見を基にZOOMOのドングリポストについて改めて考えるきっかけを頂いたことに、深く感謝申し上げます。

皆様に集めていただいたドングリは、今期中に飼育している動物たちのごはんとして活用します。

改めてドングリについて皆様が調べたり興味を持つきっかけになると嬉しいです。