アフリカゾウのメス“マオ”の人工授精に取り組むこととなり準備を進め、2024年7月4日(木)に人工授精を実施いたしましたが、血液検査の結果、残念ながら妊娠には至りませんでしたので、下記の通りお知らせいたします。
2023年3月、盛岡市の事業として日本初のアフリカゾウの人工授精を行う為の協定を、盛岡市とZOOMOを運営する(株)もりおかパークマネジメントで締結し、6月にゾウの人工授精の第一人者であるドイツのDr. ヒルデブラントと事業を行う為の契約を締結しました。
マオの発情のタイミングと、輸入精子の準備、Dr. ヒルデブラントのスケジュールも整ったことから2024年7月4日(木)に1回目の人工授精を実施いたしました。
その後の血液検査の結果、妊娠した場合は妊娠に関わるホルモン値が高い状態で推移するのですが、今回はそのホルモン値が通常時の状態で推移しているのを確認したため、残念ながら妊娠には至りませんでした。Dr.ヒルデブラントと最大4回の人工授精を行うことで契約していますので、2回目の人工授精を1月上旬から中旬に予定しています。
〇盛岡市動物公園ZOOMOのアフリカゾウの飼育状況
当園では1991年に海外より野生個体を導入し、オスメス各1頭で飼育を開始した。2001年にメス“はなこ”が妊娠したが、死産、難産のため母子共に死亡した。2006年に新たなメス“マオ”を東京都多摩動物公園から導入し繁殖に取り組んだが妊娠には至らず、2018年にオス“たろう”が死亡しました。
〇ゾウの人工授精とDr. Hildebrandt
国内での実例はないが、海外では30年以上前からゾウの人工授精の試みが始まっています。1990年代前半までは全て失敗に終わっていたが、Dr. Hildebrandt(ドイツ,ライプニッツ研究所動物園野生生物研究センター) は2000年に人工授精による繁殖に成功し、その後、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエルで、50以上の妊娠例(アジアゾウとアフリカゾウの事例は約50%ずつ)の実績をもつ、ゾウの人工授精における第一人者です。
〇他の動物園との協力体制について
秋田市大森山動物園と仙台市八木山動物公園と共に東北3園アフリカゾウ繁殖プロジェクトに取り組んでいます。年2回の東北3園アフリカゾウ繁殖検討会議を開催(2月14日に第13回目の会議を実施)しています。またアフリカゾウ飼育園館とも密に連携し、マオの帰属先である東京都多摩動物公園と協力して事業を行い、人工授精当日は全国の動物園からも数園が視察に来園しました。